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資料作成講座 第1限目:パワポの提案書

<第1限目の教材>パワポの提案書

PowerPointで作成された実際の提案書を教材にして、Before(改善前)とAfter(改善後)を見比べていただきながら、良い点と改善点を目黒潤が解説していきます!

Before

After

教材をご提供してくださったのは、新日本パワーサプライ株式会社様です!

新日本パワーサプライ様は、マンション1棟単位でご提供するマンション一括受電サービスや、一括インターネットサービスをご提供している企業です。

ものすごく大雑把に言うと、電気料金を安くなるサービスをご提供なさっています。

本社が広島で、東京にも事業所があるので、ご興味のある方は、メルマガ講座後半のボタンから、新日本パワーサプライ様のHPに飛んでみてくださいね!


今回教材にさせていただいたのは、「提案書」です。

よく考えて作られている、レベルの高い提案書で、「絶対にここは直した方が良い! ヤバいよヤバいよ~」というようなところはございませんでした。笑

しかし「色」と、あと少しレイアウトを変えるだけで、もっと綺麗に、もっと分かりやすい資料になるので、お客様の「感性」にもっと響きます!

「感性」に響くものは、思考や理性でのストップがかからないので、どんどん相手の中に入っていきます。

そして、もっと売上をつくり出す資料になるのです!

それではこちらの提案書の「良い点」と「改善点」を解説していきましょう!

Before

<解説>Beforeの良い点

◎青系をメインに使用し、他の色をあまり使用していないので、全体的にスッキリした印象を与えています。


◎文中の重要箇所の赤文字に下線を引き、ユニバーサルデザインに留意しているのは意識がお高いです!
素晴らしい!!


◎さらにユニバーサルデザインとして優れたフォントである「メイリオ」を使用していますね!

色とフォントのダブル作戦でユニバーサルデザインに留意しているのは、多様性とともに生きる、今の時代を反映されていて、大変素晴らしいですね!


◎ブロックで区切られたレイアウトなので、紙面が整理されて、見やすいですね!


上記の如く、ユニバーサルデザインに留意された、とてもレベルの高い提案書ですが、もっと「感性」に訴えて、売上に直結する資料にしていきましょう!

「感性」に響くものは、思考や理性でのストップがかからないので、どんどん相手の中に入っていきます。

それが売上に直結します!

After

<解説>Afterで改善した点

<訴求テーマ>

北海道を除く全国でサービスをご提供しているという「サービス提供範囲の広さ」をアピールして、お客様にご安心していただく。

After

●ヘッダーの線に使用されている明るい水色が、新日本パワーサプライ様のコーポレートカラーのようですね。

右上のロゴとも同色なので、この水色を、提案書のメインカラーにすることに決めました。

メインカラーを決めて全体の色を統一すると、紙面にまとまりが出るので、見やすく、分かりやすい資料になりますよ!

Before

●Beforeでメインカラーとして使用されている青は、おとなしくて固い雰囲気の青ですね。

一方、コーポレートカラーの水色は明るく開放的な雰囲気なので、同じ青系でも、相反する雰囲気を持っています。

目的を定めずに、この相反する雰囲気の2色を同時に使用すると、両方の個性が活きません。

●Beforeのメインカラーの青…おとなしくて固い雰囲気
●Afterのメインカラーの水色…明るく開放的な雰囲気

今回は訴求テーマが「サービス提供範囲の広さ」なので、明るく開放的な雰囲気の方がテーマに合致すると考え、コーポレートカラーの明るい水色を、メインカラーに使用することに決定しました!

Before
After

●メインカラーがコーポレートカラーの水色だけだと単調で、グラフや見出しの色など、箇所による使い分けが難しいかもしれませんので、この水色の中で、濃い色と薄い色を作りました。

例えば、After右下のブロックをご覧になってください。

タイトルの背景には濃い水色を使用し、説明文の背景には薄い水色を使用しています。

このように、同じ「コーポレートカラーの水色」でも、その中で濃い色と薄い色を作り、使い分けています。


●「コーポレートカラーの水色」の中で、濃い色と薄い色を使い分けることで、見やすく、分かりやすくなります。

また、統一感を持たせながらも紙面の中でメリハリが付くので、リズムが生まれ、それが「綺麗だな!」「分かりやすいな!」と相手の感性に響きます。

After
Before

アクセントカラーは1色で良いのです!

Beforeはオレンジと赤の2色がアクセントカラーになっていますが、両方とも目立つ色で、両方とも主張するため、紙面がガチャガチャして散らかります。

これは下品な印象になりますし、読みにくくもなります。

メインカラーが明るい水色なので、アクセントカラーには、メインカラー同様に明るい雰囲気を持つ色の方が、紙面全体の統一感が出ると考え、赤より明るい雰囲気を演出できるオレンジを、アクセントカラーに決定しました。

そして赤は使用しないことにしました。(赤よ、ゴメン)

After

●Afterのアクセントカラーのオレンジですが、グラフの中のオレンジと、文中のオレンジでは、微妙に濃さを変えています。

文中のオレンジは、文字の読みやすさを担保するために、若干濃くしています。

これは相手に気付かれないかもしれない、地味な工夫ですが、相手に「読みにくいな…」と思われないために、必要な工夫なのです。

「読みにくいな…」と思われたら、スムーズに流れていたものが、そこで止まってしまいますから。


●紙面の中で大きな面積を占める日本地図は、目に入りやすいので、オイシイ材料です♪

この地図を徹底的に有効活用しましょう♪

決して野放しにしないように。笑

この紙面で最も訴求したいことは「サービス提供範囲の広さ」なので、そのことをこの地図を使って、相手の感性に響かせます!

サービス提供範囲を大きく丸で囲み、その関連箇所(右側のグラフ)と矢印で繋ぎました。

文章を読んでもらえなくても、この地図が目に入れば、たくさんの場所でサービスをご提供しているということを、一発で伝えることができます!

After

●Afterの地図上で、サービス提供範囲を囲んだ丸は、メインカラーの明るい水色にし、さらに透明度を70%にして、周囲になじませました。

大きいので、目立ち過ぎる懸念がありますが、目立ち過ぎると周囲に悪影響を及ぼしますので、それを避けるための配慮です。

After

●Afterでは、文章を黒と濃い灰色で使い分けました。

全てが黒だと、紙面の白とハレーションを起こし、目がチカチカする懸念があるので、それを防ぐためです。

そして、濃い灰色を使うと、もうひとつ良いことが。

濃い灰色の文字は、スッキリと洗練された印象を与えます♪

Before

●Beforeのヘッダーの真下の文章「全国32都道府県で~」の色は、どこにも関連性の無い色でした。

関連性の無い色は、紙面の中で浮き、それが違和感に変わり、相手の感性に響くことから遠ざかってしまいますので、極力使用しないようにしましょう。

Afterでは、この文章の重要箇所(冒頭)にアクセントカラーのオレンジ、それ以外は、黒に近い濃い灰色を使用しています。

After
Before

●Beforeをご覧になってください。

地図の下の文章ですが、太文字が多いとうるさい印象になってしまいますし、洗練された印象にもなりませんので、Afterでは、通常の太さにし、文字の大きさもBeforeより0.5pt小さくしました。

太さを通常にし、大きさを小さくしても、余白をちゃんと確保していれば、読みやすい資料になります。

余白を活かすことが、とても大切です!



●ブロックで区切ったレイアウトをさらに活かすために、右側の、上半分と下半分のタイトルのデザインを同じにして、ブロックでの統一感を出しました♪

After
Before

●Beforeの右上のグラフタイトル「供給戸数」は読まなくても分かりますよね。

こういうのは勇気を出して削除です!

その分、紙面を節約できて、余白として使えたり、他の要素を入れることができますので、良いことづくめです。


●Afterでは、グラフと凡例の色を揃えました。

こういう棒グラフと折れ線グラフのような、2種類のグラフが複合されているグラフは、凡例も2種類あるので、どっちがどっちの凡例なのか、一目で分かりにくい場合があります。

そんな時は、色を揃えて、色に伝えてもらいましょう!

今回は、

供給戸数…水色
供給棟数…オレンジ

に揃えました♪

これでどっちがどっちの凡例なのか、一発で伝わるようになりましたね。

After

●Afterでは、右下のブロックをメモを貼ったようなデザインにし、おしゃれな雰囲気を演出しました!

右下の角がめくれているようにして、本物のメモっぽくしたことがミソです。笑

このデザインは、PowerPointの「図形」を組み合わせてできます!

とても簡単なのですが、このおしゃれ演出が、メインカラーの水色の、明るく開放的な雰囲気をより強調し、訴求テーマの「サービス提供範囲の広さ」の強調に繋がっていきます!

<第1限目のまとめ>テストに出ますよ。笑

★その紙面(資料)では、何を訴求したいのか、狙いを定めよう!そしてその「狙い」を表現できる色を使おう!

→「サービス提供範囲の広さ」を訴求したく、それを表現するために、明るく開放的な雰囲気の水色をメインカラーに選びました。


★アクセントカラーは1色で足ります!

→Beforeでは赤とオレンジの2色がアクセントカラーになっていましたが、Afterではオレンジ1色に絞りました。


★図形と色を駆使して「読まなくても分かる・見ただけで分かる」資料を目指そう!

→地図上でサービス提供範囲を大きく丸で囲みました。

→グラフと凡例の色を揃えました。

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お仕事のこと

ダサい資料、ダメ、ゼッタイ

お客様に膨大な量の資料を提出する、とある企業の資料のフォーマットを作っています。 
 
資料の見出しや本文、図版やグラフの、色や大きさ、位置などを決めています。
 
資料がその企業の命であり、資料を整えることが、その企業にとって最大級のブランディングになるからです。
 
コンペに勝つ資料を作れるようになりたい、プレゼンに強い資料を作れるようになりたい、というオーダーは普段からよくいただきます。
 
しかし今回は、
 
「カッコ良い資料にして欲しい」
 
と言われました。
 
私がいくら精魂込めて資料のフォーマットを作ったとしても、それが社内に馴染んで、社員の方々に使っていただけないと、意味がありません。
 
なので今回は、社員の何名かの方々に、資料に対する想いをインタビューさせていただきました。
 
私はインタビューの時は聞き役に徹しているのですが、20代男性とのインタビューの時に話が途切れて、シーン…となりました。
 
黙っていたら、
 
「あの、、、やっぱり僕ら、カッコ良い資料にしたいんですよ」
 
とおっしゃってくださいました。
 
これこれこれ、これですよ!
実際に資料を作成する現場の、魂の声!
 
やっぱりそうですよね!
ダサい資料なんか出したくないですよね!
 
カッコ良い資料を出して、
カッコ良く報告して、
カッコ良く議論して、
カッコ良く合意にしたいですよね!
 
「カッコ良い資料」はどうやったら作れるのか?
そもそも「カッコ良い」ってなに?
 
…ということで「カッコ良い資料のフォーマット」鋭意作成中です。

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お知らせ

【情報量の多いポスター・チラシ・スライド】色で整理して分かりやすく!

 

【カラー戦略講座 vol.28】

 

カラー戦略を使った研修講師の、カラーコミュニケーター®目黒潤がお送りする「カラー戦略講座」シリーズです。

 

今回は、情報量の多いポスター、チラシ、スライドを、どう分かりやすく見せるか!?というお話です。

 

情報を整理して、分かりやすく見せたい時も、カラー戦略は大活躍ですよー!

 

コンペやプレゼンでも使えるテクニックですので、是非、カラー戦略で、クライアントの視線とハートをわしづかみ♥にしてくださいね!

 

 

動画の中でも、何度も何度も、口を酸っぱくしてお伝えしていますが、色が違えばイメージが異なるということは、「色は情報」だということです。

 

ですので、同じ内容・同じ意味を持つものは、同じ色でまとめて、「同じ情報」として扱うと、情報量の多いポスター・チラシ・スライドでも、相手に分かりやすく伝わります。

 

色によって、情報が整理された状態で、相手に届くからです。

 

ポイントは、「文字と図形」のように、形状が違っても、同じ内容・同じ意味を持つものであれば、同じ色でまとめるということです。

 

是非、このテクニックを利用して、分かりやすく、そして、コンペやプレゼンに強い資料を作ってみてくださいね!

 

 

 

【関連動画】

 

 

【店主必見!】お客様を連れて来る【看板の色】

 

 

【案内表示・デジタルサイネージ】パッと目を引くには、パワポの色設定「黄色の軸」がポイント!

 

 

【プレゼン資料の色】同じ意味を持つものは同じ色で! ★字幕つき★

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お知らせ

コンペに強いスライドの色

 

コンペという「限られた時間」でのスライドって、「一発」で伝える必要がありますよね。

そんな時には、「カラー戦略」が力強い味方になってくれます!

色のイメージを利用して、色を「感覚」ではなく、「情報」として扱うと、「見ただけで理解できるスライド」になります!

「読んでもらって、説明して、やっと理解できるスライド」は、じっくり時間がある時の手元資料なら良いかもしれませんが、コンペでは弱いのです。

コンペでは、「見ただけで理解できるスライド」が、相手の理解を「短時間で」促進するので、絶対的に強い!!

色を「情報」として扱って、コンペに勝ちましょう!!