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お仕事のこと

営業力は無いけど、ここだけは秀逸だった件

20年前、隣の席の後輩の男の子が、ヤクザな上司に襟首を掴まれ、床になぎ倒されて、顔を革靴で踏まれるのを見ながら、その男の子のお客様に電話して、アポイントを取っていました。
 
後輩の男の子に派手に暴力を振るう上司を見て、固まっていたら、
 
「てめぇ、なに見てんだよ。てめぇがアポ取れよ!」
 
と言われ、目の前に電話機をドン!と置かれたので、心臓がどうにかなりそうだと思いながら、アポを取る電話をかけました。
 
あ、投資用不動産を売っている会社だったのですが、電話営業しても、ほとんど断られます。
断られるのが普通です。
 
この時電話した後輩のお客様(奥様)も、
 
「でもね…投資用マンションなんて、うちはいらないわ」
 
とおっしゃっていましたが、上司に顔を踏まれて「うぅ…」と泣いている後輩の声や、上司が「どうなんだよ!」と後輩をさらに脅す声が聞こえてくるので、もう腹を決めて、アポを取るしかありませんでした。
 
この時の「腹を決めた感覚」、20年経ちますが、いまだに残っています。
 
横隔膜が、ベコッ!と凹むような感覚です。
 
私のブラック企業での営業ウーマン時代、必殺営業トークも持っていないし、売上トップを取るような華やかな営業ではありませんでしたが、「お客様を掴む力」だけは秀逸だったと思います。
 
なんと言うか、私独自の「カン」みたいなものなのですが、なんとか言葉にすると、
 
「腹を決めて」
「この人だ!と思ったお客様に必死で説明する」
 
ということなのです。
 
あ、ちなみにその後輩のお客様は、ご購入くださいましたよ!
しかも、新築マンションを2軒も買ってくださって、後輩の名誉を挽回できた、思い出に残る成約となりました!
 
後輩と一緒にお客様のご自宅に伺って、私が商談を進めたので、私も本当に嬉しかったし、後輩のことも可愛く思えました。
 
お客様との関係も良好で、ご自宅に伺う度に、奥様が心を込めて紅茶を淹れてくださいました。
 
帰る時には、ご夫婦揃って玄関まで見送ってくださいました。
 
私がやったことは、
 
「腹を決めて」
「この人だ!と思ったお客様に必死で説明する」
 
です。
 
営業力には自信はありませんが、この点だけは秀逸な私です。