2026
02.03

AIが正解を出せるとしても
~愛の概念――繊細なイメージの可視化を託された理由とは?~

色×経営

こんにちは。『週刊目黒潤』編集部員Sです。

企業ブランディングの専門家として、日々、ブランドカラーやロゴマーク、キャッチコピー、キャッチフレーズやタグライン、スローガンなど、企業の「想い」や「信念」を可視化するためのさまざまなご相談に対応している目黒編集長のもとにある経営者の方から寄せられた不思議なご依頼。

「僕の【愛】の概念を色で表現してほしい」

その顛末について、前回こちらのコラムでお伝えしました。

前回のコラムを書く過程で、気づいたことがありました。

それは、今回のご依頼の背景には

「この仕事をやってほしい」よりも、「この人に何か仕事を頼みたい」という想いが先にあったのだったのだろう。

ということです。

出会ったことで、ニーズが生まれた


 
本件のご依頼主の方は「【愛】の概念を色にしてくれる人をずっと探していた」というわけではないと思うんです。目黒編集長と対話した時に「この人に仕事を頼みたい」という、衝動というか、欲求というか、閃きがまず生まれた。

その次に「どうせ頼むなら、この人にやってもらうにふさわしい仕事がいい」と考えた。何がある――と自分に問うてみた。そうだ! 自分の中にある一番大切なものを色にしてもらおう。それは愛だ――と。

そういうことだったのではないでしょうか。

つまり「この仕事を誰かにやってほしい、これを誰かにつくってほしい。この人ならできそうだ」ではなくて、「この人がやる仕事、この人がつくるもの」が欲しいという想いが先にあった。それが今回の、まるで詩のような、絵本のような、純文学のような、唯一無二のご依頼になった、と。

これは私の憶測、というか想像です。でも、きっと大枠は外れてないと思います。

「この人に、唯一無二の色をつくってもらう」という価値


 
色の専門家は世の中にたくさんいますし、専門企業もたくさんあります。にも関わらず、その方はオンラインで知り合ってすぐに、目黒編集長に直接会って仕事を依頼するために、北海道から飛んできてくださったのです。

目黒編集長に出会った。その出会いが「この人に何か、色の仕事を頼みたい。この人が【愛】の概念をどんな色にするのか見てみたい」という気持ちを触発したのだとしか思えません。

「この人が、いい色をつくってくれる」「自分の納得する色をつくってくれる」ではなくて「この人の、つくった色」であることが、ご依頼主の方にとっては重要だったのです、きっと。

生成AIに、同じ仕事を頼んでみた


 
ちなみに、これを書いている今は2026年に入ったばかりのド新年なのですが、私の周りの生成AIユーザーの間で、生成AI(主にChatGPT)に下記の問いを投げかけることが流行っているようです。

「あなたが記憶している私の2025年の全会話ログから私の『最大の強み』と逆に『無意識に避けていた課題』を心理学的な観点から鋭く言語化してください」。

私も本コラム執筆中の息抜きに、やってみました。なかなか芯を食った解答が出てきました。さらにふと思いついて、こう問うてみました。

「言語化してくれた内容を判断基準にして、私の【愛】の概念をメインカラー1色、サブカラー2色のカラーコードで表してみて」と。

すぐに、3色を提示してくれました。私の好みの色でした。選んだ根拠も添えられていました。読んで、まぁまぁ納得し、「うまく筋の通った理屈をつけるものだな」と感心しました。が、心が震える感動は、ありませんでした。理屈は通るけど。色は綺麗だけど。それだけです。

何が言いたいかというと。

生成AIを使い慣らしていけば、自分の中にある概念を表す色をつくることができるかもしれない。どのみち、自分の中のことに「これが正解だ/間違いだ」という対外的な基準はなく、その人が「うん、この色だ」と思えればOKなのだから。

でも、どれだけ綺麗で好みの色だったとしても、自分らしいと納得できたとしても――「他でもない、この生成AIにつくってもらえたからこそ価値があるんだ!」という感動に至れるとは、ちょっと考えにくいですよね。

自分の概念を色にしてもらうって、やっぱり「この人に」と思える相手ありき、なのだと思います。正解をもらうことより、「その人」が自分の概念をどう翻訳してくれるのかを知ることのほうに、価値があるのだと思います。

目で見える、後に残る、コト消費


 
「モノ消費(形のある商品そのものを買って満足する消費)」「コト消費(体験や出来事に価値を感じてお金を使う消費)」という言葉があります。

今回のご依頼は、色という目に見える成果物ができあがるので、一見「モノ消費」のようですが、実は「目黒潤という人に、自分の奥底にある形のない大切な何かを可視化してもらう」という体験を味わう「コト消費」だった。そういうことだと思います。

ちょっと珍しいご依頼があったことで、改めて上記のようなことを考えさせられたわけですが、各種ブランディングのお仕事(タグラインやスローガン、心に刺さるキャッチコピーの作り方、魅力を一瞬で伝えるキャッチフレーズの作り方、ブランドカラーやロゴマークの考案などなど)も、根底は変わらないはずです。

どんなプロジェクトでも「この人にやってもらうからこその価値」を、お客様に何らかの形で、常にお届けできている――目黒編集長の仕事を近くで見ている私は、その手応えを常に感じています。お客様一人ひとりが、それぞれの視点で「目黒潤の仕事」の価値を受け止めてくださっています。その一端を、ぜひお客様の声でご確認ください。(お客様インタビュー

また、私の理屈っぽい文章よりも、本人と直接対話することできっと伝わるものはあります。MeDeRu・目黒潤にご興味をお持ちいただけましたら、まず一度ご連絡くださいませ。