2025
08.20

ブランドストーリーとはなんぞや

色×経営

50を過ぎ、私もやっと「次の人」のことを考えられるようになりました(遅っ)

駅のトイレに入ったりすると「次の人のために、きれいに使いましょう」というようなプレートが貼ってありますね。

今までは、なぁ~んにも気に留めていませんでしたが、最近「次の人のことも考えられるって、すごいなぁ」と、じんわり心に染み入るようになりました。

今の自分のことだけでなく、見えていない次の人にも想いを馳せられるこの文化って、日本特有なのかな。

「ゴミ芸人」として有名な、マシンガンズの滝沢修一さんのインタビュー記事を読んだことがあるのですが、複数の小さなビニール袋の口を、紐で結んで一つにまとめられているゴミがあって、とても助かった、そのゴミを出した人のお人柄がしのばれる、、、というような内容でした。

つまり、コンビニの袋のような、小さなビニール袋をいくつもゴミとして出す場合、普通に出すと、そのビニール袋の数だけ、清掃職員の方が腰をかがめたり、清掃車まで往復しないといけませんよね。

でも、複数のゴミ袋を一つにまとめてくれてあると、それらが1回で済む。

そういう風に、会ったこともない清掃職員のことまで考えてくれて、ゴミを出す人はステキです、助かります、というような内容でした。「神ゴミ」とまで書かれていました(笑)

(私の記憶に頼ってこの文章を書いているので、インタビュー記事の言葉はこのままの言葉ではありません)

このインタビュー記事を読んだ時、トイレの「次の人のために、きれいに使いましょう」のプレートが、心に染み入った時と同じ感動を覚えました。

こじつけでもなんでもなく、ブランド設計にも同じようなことが言えます。

商品として表に出ている部分、目に見えている部分だけが、商品ではありません。

その商品に込められた想い、商品としてカタチになるまでの軌跡、そういう商品の「背景」を、「ブランドストーリー」として打ち出すのが、ブランド設計だと思います。

商品の「背景」って、実はたくさんあります。

そしてそういう「背景」があるからこそ、商品は生まれます。

だから本当は「背景」こそが価値だし、魅力だし、それこそ、唯一無二。

でもお客様の目に触れるのは「商品」だけなので、つくり手は「背景」にとても無頓着(笑)
そこに「唯一無二の魅力」があるなんて、気付いていない場合が多いのです。

つくり手の取材に行って「えっ、そんなにたくさんの工程があるんですか!」とか「えっ、裏でそんなことをやっていたんですか!」と、驚くことがたくさんあります。

そして、そこまでやるつくり手の想いに、とても感動します。

つくることに苦労しても、お客様に喜んでもらいたいという「想い」がカタチになって生まれているのが、この商品なんだなぁと思うから。

どれだけの逡巡があって、どれだけのミーティングがあって、工程があって、お金の出し入れがあって、時間をかけて、季節を通り過ぎて、この商品が生まれてくるのだろうと思います。

これらは目には見えないけれど「唯一無二の魅力」に違いない。

この唯一無二の魅力を絶対に伝えたいと思うから、私が「ブランドストーリー」として可視化します。

そしてそこからコンセプトが生まれ、ブランドカラーが設計され、ロゴがデザインされます。

ブランド設計は、見えていない次の人のことまで考えるトイレのプレートや、会っていない清掃職員も思いやる神ゴミと「見えていないものに想いを馳せてカタチにする」というところが同じです。

その商品に込められた想い、商品としてカタチになるまでの軌跡、どちらも見えるものではありません。

それらをブランドストーリーやブランドカラー、ロゴ、タグラインなどで、可視化して「唯一無二の魅力」として伝えていく。

正しいブランド設計をするためには、モノの正面だけではなく、側面を通って背面まで見通せる自分の力が必要だと思います。その力をもっと強くしたいと、日々、自問自答の日々です。

だから、トイレのプレートや神ゴミに感動します。

私もそうありたいと思います。