なぜに「子宮」なのか
「子宮がんの一歩手前」という診断がくだってから「がん一歩手前」の場所がなぜ「子宮」なのだろうと、何度も考えました。
なぜ、胃や腸、肺ではなく「子宮」なのだろうと。
私は出産経験が無いので、子宮を使っていないからかなぁ?とも思いましたが「生み出す場所」である「子宮」を侵されたということは、私にとってとてもショックなことでした。
私は生まれてこの方、アイディアを出すことが大好きで「白紙の状態」というものが全く怖くないし「壊れる」ことも怖くありません。
「白紙だったらこれから作ればいい」「壊れたらまた作ればいい」と思っているからです。
私=アイディア、なのです。
つまり私は自分のことを「生み出す人」だと思っていたので、そんな私の生み出す臓器「子宮」が病気に侵されたのはなぜだろうと、落ち込みました。
寝る時もそういうことばかり考えていたので、なかなか眠れない日が続きました。
子宮は自分だった
幾晩も考え、勝手な結論なのですが、なぜか「子宮のことを考えるために、この病気になった」「だからこれからの私は『生み出せる力のある私』を、もっと大切にできるようになる」「手術で一時的なダメージは食らうけど、結果的には今より良くなる!」という結論に達しました。
手術は怖かったのですが、悲痛な気持ちは消えました。
なぜこのような結論に達したのか、理論的に説明できる根拠は無いのですが「身体がそう感じた」という感覚です。
子宮は自分、と感じました。
血管収縮で点滴入らず(汗)
たった一泊二日の入院でしたので、入院して数時間後にもう手術でした。
ここでトラブル発生!!!!!
私、すごーーーく、すごーーーく、手術が嫌だったのですね。
20年前に鼻の中にポリープができて、全身麻酔の手術をしたのですが、その時に、酸素マスクを当てられて、すぐに苦しくなり「苦しい」と言った直後から意識を失うという、最悪な麻酔のかかり方をしてしまったので、それが嫌な思い出となって残っており、手術というよりも、全身麻酔が嫌で嫌で、仕方ありませんでした。
でも、気持ちの中では受け入れていたのですが。。。
手術が嫌なあまり、緊張し過ぎて血管が収縮してしまい、麻酔の点滴を点す血管が、見つからなくなってしまったのです!
病室で「あれー、血管、、、細いですねー」と言いながら、左手を調べたり右手を調べたりしてくれた可愛い看護師さん。
「温めてみましょうか」と右手を温めてくれましたが、結局血管は浮き出て来ず、オロオロになってしまいました(ごめんなさい!)
そして本当は、病室から点滴を入れて手術室に行くはずが、それができなくなってしまったので、手術室で点滴を点すことになりました。
手術室で手をペチペチ叩かれた
手術室に行くと、さらに緊張が高まってしまった私。
麻酔医が私の左手や右手の色々な部分を調べてくれても、浮き出ている血管は無く、結局、手の色々なところを、ペチペチ叩かれて、無理矢理血管を浮き出させて、なんとか点滴を点しました。
点滴から麻酔が入ってすぐに、下半身から自由が利かなくなって来ました。
でも、嫌な感じは全く無く、気持ち良く、ふんわりと、自由が利かなくなって来た感じでした。
そして口の傍に管みたいなものを当てられて(多分、何か気体が出ていた)「ゆっくり深呼吸を繰り返してくださーい」と言われ、、、いつの間にか、あっという間に深い眠りに落ちました。
術後は爽快、ルンルン気分♪
看護師さんに「目黒さーん。もう終わりましたよー」と言われて、目が覚めました。
応答したら「目を開けてみてくださーい」と言われ、パチ!と目を開けることができました。
看護師さんがもう一度「終わりましたよー」と言ってくれましたが、眠っていた記憶が無かったので「準備が終わって、これから手術なんですね」と確認したら「いえ、手術も全部終わりましたよ」と言われたので、とてもビックリしました!!
点滴を点されて、全身に色々な装置を付けられているうちに意識を失ったので、まだ準備が続いているものだと思っていました。
そしたら、手術ももう終わっていたなんて!!
聖路加病院麻酔医のパワー
気分は爽快で、意識もハッキリしており「今、何時ですか?」と看護師さんに聞いたりしていました。
手足にも腹部にも何の痛みも無く、自由に動かすことができました。
無事に手術が終わり、気持ちが楽になった私は「どこも全然痛くないですー。足も真っ直ぐ―!分娩台に乗る時みたいに、足を曲げたりするのかと思ってましたー!」と気軽に看護師さんに話しかけました。
ちなみにこれは、手術室から個室に移動する、担架に乗せられてガラガラ運ばれている際に、ルンルン気分になって看護師さんに話しかけているので、少々ウザい患者だったと思います(反省)
看護師さんは「今は足は真っ直ぐにしていますけど、麻酔がかかっている間に、分娩台に上がるような恰好はしたんですよ。全部やっちゃったんですよ」と説明してくださいました。
手術室に入っている間は、1時間20分でしたが、前後の記憶しかありません。
痛いこともしたんだろうけど、全く痛くないって、すごいですね!!
とても丁寧だった麻酔の説明
痛みも無く、爽快な気持ちで目覚めることができた聖路加病院の麻酔医のパワーに感謝します!!
聖路加病院の麻酔の説明はとてもご丁寧で、麻酔医のお医者様のアポイントメントだけでなく、麻酔科や手術室から別途パンフレットを渡され、素人でも分かるように、細かく丁寧に、手術のことを説明してありました。
イラスト入りのパンフレットは、写メに撮って、実家の母にも送りました。
利き腕の点滴は不便(泣)
なかなか血管が浮き出て来なかったなか、かろうじて点滴を点すことができたのは、右手の甲でした。
そう、利き腕です。
利き腕の点滴は、とても不便でした。
特に術後はおしっこの量をビーカーで測らなくてはいけなかったので、点滴台と一緒にトイレに入り、点滴の管がグルグルしないように気を付けながら一旦ビーカーの中におしっこをし、その量を目視してからおしっこを便器に捨て、ビーカーを洗うという一連の作業をするのは、とても大変でした。
ダンナと実家の母が付き添ってくれていましたが、、、ギリギリ自分でできる範囲だったので、なんとか頑張りました。
聖路加病院ならではの「全室個室で、トイレ完備」だったから、できたことかな。
食べる喜びを全身で感じる
入院前日から手術後数時間は絶食・絶飲だったので、食事がとても楽しみでした!!
術後の食事制限は無かったので、病院食まで待ち切れず、ダンナに頼んで、
・お好み焼き
・お寿司
・フルーツ盛り合わせ
・スタバのチャイティーラテ
を買って来てもらい、病院の夕食までに全てたいらげました。
そして病院食も完食しました(笑)
下の写真は、聖路加病院での夕食です。
お箸袋に「聖路加病院」と入っているのが、ニクイですよね!
聖路加病院の色彩工夫
手術日翌日は、点滴がとれ、心身ともに楽になり、気持ちにも余裕が出て来たので、個室内をしげしげと観察しておりました。
全室個室の聖路加病院は、快適に過ごせるように、工夫がいっぱいあって、改めて勉強になりました。
天井から吊るされたテレビ。
ベッドから寝ながら観るには、ちょうど良い角度でした!
壁とロールカーテンは淡くて優しい色の組み合わせ。
照明も、優しくホッとする色合いでした。
角は絶対に丸い!
角ばった壁は、一カ所もありませんでした!
まさかの転倒時、万が一、
壁に身体をぶつけても、安心ですね。
レザーっぽい風合いの椅子が窓際に置かれていました。
明るく清潔感あるコーナーです。
短い入院でしたが、お気に入りのコーナーになりました。
上の写真の窓から見える景色です。
塔?みたなものが真ん中に立っていました。
椅子がもう一脚あり、なぜかアンティーク風。
備え付けの本棚には、聖書が入っていましたよ。
さすが、聖路加病院ですね。
はい、これ、注目してください!
テプラが「オレンジ色」でまとめられているんです!
「オレンジ色」は視認性が高く、
高齢者にも見分けやすい色であり、
さらに、楽しい気分になったり、
親しみを持てたりする効果もあります!
聖路加病院のスタッフの方々に、
色彩の知識があるのかどうかは分かりませんが、
結果として、入院生活が快適になる工夫になっていますよね!
お見苦しい写真でごめんなさい。
術衣が「紫がかった可愛いピンク」なのです!
女性だけかと思ったら、男性もなんですって。
「ピンク」には、緊張を和らげたり、
若々しい気持ちになったりする効果があります。
これも手術前の、沈痛な気持ちを和らげる効果がありますね。
入院中、履いていたスリッパです。
転倒防止のため「かかとがあるもの」を履くように言われ、
どこにも売っていないので、
結局、聖路加病院内の売店で買いました。
3,024円也。
高いけど、柔らかくて、とても履きやすいスリッパでした。
だけど、病院で履いていたものを自宅でも履く気にはなれず、
退院と同時に捨てて来ました。
一泊二日の入院記を書いた理由
私と同じ病気になった方や、聖路加病院に入院する方、全身麻酔の手術をする方のご不安が、少しでも和らげば良いなと思っています★